【設計解説】MDFで作るHDDケース[構想編]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


外付けHDDがデスクで邪魔だったので、どこか置き場所がないか考えました。
PCモニタの裏側にデッドスペースを発見!
しかしどうやって保持すればよいか・・・。

見れば背面にねじ穴があるではありませんか。
そこで100円ショップで買ってきたMDFを材料に箱を作り、
PCモニタの背面にねじで固定できるように設計し、実際に製作してみました。

モニターに背負わせるので名付けて「モニター・ランドセル」。
今回は単純に作業履歴を説明するのではなく、どのような思考で設計を進めたのかについて解説します。
きっと他の設計の場面でも何かしら役に立つと思います。

今回は「構想編」と題しましてニーズからどのような構成にするのか、ラフに設計するところまでの解説です。

本記事の内容

・設計物概要(対象モニタと外付けHDD)
・構想設計(形状決定までの思考の過程)
・モニターへの取り付けをどうするか
・天板/底板をしがみつかせる
・左右側板
・フタ

設計物概要

材料:MDFボード(板厚6mm)※ダイソーで買いました
箱の大きさ:幅244mm × 高さ177mm × 奥行き65mm
対象モニター:VESAマウントインターフェース(100mm × 100mm, M4ねじ)

構想設計(形状決定までの思考の過程)

・見た目にこだわる

まずHDDが外から見て全く見えないようにしようと思いました。
HDDは直方体ですから、無駄なく収めようとするとケースも直方体ですね。
すると6面体、つまり基本構成は6枚の板ということになります。
サイズは極力小さめで、HDDピッタリを狙います。

・モニターへの取り付けをどうするか

モニターに空いているねじ穴を固定に活用するには、HDDを完全に箱に収めてからでは取り付けができません。なぜならHDDを貫通する位置にねじ穴が来るからです。
であればモニター背面に接する側の板(以降、背面板と呼ぶことにします)を先にねじ固定する必要があります。先に固定された背面板に対して上下側面の4方向の板を何らかの方法で引っ掛け、最後にふたを閉める方針とします。
(他にもアプローチは幾つかあると思いますが一旦この方針で考えます。)

・天板/底板をしがみつかせる

では次に垂直に立っている背面板に上下の板(天板、底板)を取り付ける方法を考えます。
背面板に縦寸法が板厚程度の横長の穴をあけ、天板・底板の端部を穴に合わせ凹凸にカットし、手前から差し込んだだけではすっぽりと簡単に抜けてしまいますね。MDFは木工用ボンドで簡単に接着することが可能ですが、ここは遊び心を加え組みバラシができるようにしてみます。
天板・底板の端部を凹凸ではなく少し伸ばしてフック形状にすれば「差し込む→横にずらす」という動きで引っ掛けることができそうです。

・左右側板

背面板に天板/底板がついた状態で左右に側板を差し込みます。
この2枚は手前から単純に差し込むだけでよさそうです。最後に固定する板が抜けないように押さえてくれるからです。ただし、それだけでは芸がないので先にとりついている天板/底板がぐらつかないように引っ掛けを追加してみます。
その昔、設計部署の上司に「1つの部品には3つの仕事をさせろ(機能を持たせろ)」と言われていたのを思い出します。。(本部品の機能は”HDDの保護”と”天板/底板の安定化”の2つですね)

・フタ

背面板と平行な位置になる板を最後のフタとします。ここでも接着剤やねじ類を使わない方法を考えます。
背面板から垂直に立っている4枚の板にどうやって「しがみつくか」を考えます・・。
組付けのイメージは天板/底板と同様に「差し込む→ずらす」。もうちょっと具体化してずらす方向を上下方向としてみます。重力を考えると下方向にずらすのが良いかな。
だとすると4枚のうち左右側板からは上を向いたフック形状を用意してフタは穴をあけておけばOK。
次は天板/底板との関係を考えます。下方向にずらしたときに引っかかるためには、天板/底板の端部はT字型に突起を作っておいて背面板には対応する位置に凸型の穴をあけておくのがよさそうです。
T字の頭を凸穴の下側の広い穴から差し込んで、凸が下にずれると嵌まるイメージです。

これでひとまずは全体の形状イメージが出来上がりました。


これでモニターランドセルの構想設計解説は終わりです。
次回はFusion360を使って実際に設計する工程の解説です。
最後までお付き合いいただきありがとうございます!

あなたのワクワクものづくりに貢献できると幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

スポンサーリンク

コメントを残す

*

CAPTCHA